田ノ貫
「狼信仰と密接な関係があるのが、妙見信仰なのじゃ。北辰信仰とも言うがのう。」
宇佐美
「えーと、妙見様って確か仏様ですよねー。それがなぜ狼さんと?」
田ノ貫
「ふむ、その通り。妙見さまは妙見菩薩とおっしゃって密教の仏様じゃな。この仏様は、北辰、つまり北極星を神格化したと言われておってな、東洋占星術と密接な関係があるのじゃ。」
妙見星神の図像
宇佐美
「東洋占星術のことは知ってます!安倍晴明様の陰陽道ですねー。うふふふ。」
田ノ貫
「なにを喜んでおるんじゃ?」
宇佐美
「だってー。うふふふ。」
田ノ貫
「これこれ、話が逸れる。いいかげんにしなさい。東洋占星術は、安倍晴明の陰陽道と密教系の妙見信仰が有名なのじゃ。どちらも天体の運行を見てこの世の運命を占う術じゃな。」
宇佐美
「確か、晴明様のライバル、秦道満(はたのどうまん)は密教のお坊さんでしたね。」
田ノ貫
「その通りじゃな。そして、狼神社の内容をよーく見てみるとじゃのう、遠州の山住神社には妙見様が祀ってあり、山形の犬の宮の裏手にある亀岡の文殊堂には星祭りがあり、天童市のべんべこ太郎の墓のあるのは…。」
宇佐美
「ああ、妙見神社でしたね。」
田ノ貫
「それに成田山の敷地内には妙見堂があって山犬型の狛犬が守護しておるのじゃ」
宇佐美
「それは知りませんでしたねー。」
田ノ貫
「どおいう訳か、成田山の妙見堂は非公開なのだそうじゃ。」
宇佐美
「なにか訳ありなんですかねー…。」
田ノ貫
「どーかのー。そして秩父では、盆地の中央に鎮座する秩父神社は妙見様の神社で、三峰山、武甲山、両神山、宝登山がぐるりと周りをかこんでいるのじゃ。」
宇佐美
「おお、狼神社のあるお山ですよね。」
田ノ貫
「そうなのじゃな、密教や修験系の寺社には狼信仰と妙見信仰はつきもののようなのじゃな。」
宇佐美
「はれはれ、それはどういう訳なのでしょうか?お星さまと狼さんとは…、妙な取り合わせですねえ。だいいち、北極星と妙見という名前とどう関係あるのでしょう?」
田ノ貫
「それはじゃな、北極星をみつけるための星座、北斗七星のすぐ脇に、輔星といって見えにくい小さな星があってのう…。」
宇佐美
「おお!死兆星が見える!」
田ノ貫
「古いマンガみたいな事言うではない。目がいい人なら誰でもみえるんじゃよ。」
宇佐美
「ああ、そうなんですか?」
田ノ貫
「そうじゃとも。ローマ時代には兵隊の目の検査にも使われていたという話じゃ。」
宇佐美
「なーんだ。それで妙見で北斗星で北斗七星なんですね。」
田ノ貫
「まあ、ここからはホゥホゥ先生や竹林先生たちの方がくわしいからのう。竹林先生、ご教授お願いします。