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 黒犬(くろいぬ)神社 

 静岡県藤枝市の古刹、鬼岩寺の境内に鎮座する境内小社です。このお社は、神犬クロが祀られています。これには次のような伝説が伝わっています。

 その昔、領主の田中城の城主・本多公は闘犬を好み、洋犬の血を引く土佐犬シロを飼っていました。あるとき城下の鬼岩寺に春埜山から遣わされた狼の血を引く神犬クロがいると知り、殿様の愛犬シロと勝負せよと寺に命じました。城庭の広場で衆人見守るなか、神犬クロはたちまちのうちに殿様の愛犬を咬み倒してしまいました。

 これに怒った殿様の本多公は、家臣団数百名に命じてクロを追わせました。城下を追い回されたクロは逃げ場を失い古井戸に身を投げて死んでしまいました。このとき火柱が立ち黒雲が湧き起り、百雷のような恐ろしいうなり声が城下に響きわたりました。また異説では春埜山からクロの仲間の山犬の群れが押し寄せて来たとも伝えられています。

 この神威に恐れをなした本多公は、平伏合掌して詫び、お社を建ててクロを祀ったのがこの黒犬神社だと伝えられています。黒犬神社は今でも「死しても負けずの神」、武運長久大願成就の守護神として信仰を集めています。

 春埜山は、狼を遣わすとされた遠州三山、山住、秋葉山、春埜山の内の一つです。この伝説から春埜山の犬飼集団は江戸時代になっても狼犬を貸し出す事業を行っており、その勢力は藩主である大名家を屈服させるほどだったことが分かります。

祭神
 神犬クロ
御利益
 武運長久、心願成就、必勝祈願、海上安全、縁結び、家内安全、
 商売繁盛など
祭礼
 8月20日鬼岩寺 夏祭り
名物
 おたけせんべい
所在地
 静岡県藤枝市藤枝3-16-14
アクセス
 JR藤枝駅からバス「鬼岩寺入口」下車、目の前